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トピックス

新潟秘密基地物語 第二章:心が動き出す夜 第16話『キャンドルが灯る夜』 2026/07/08(水)21:23

新潟秘密基地物語
第16話

― キャンドルが灯る夜 ―


人は、たった少しの演出で、
いつもの景色がまるで違って見えることがある。

その夜が、まさにそうだった。


仕事を終え、時計を見る。

「今日は少し遅くなっちゃったな…」

急いでホテルへ向かう。

エレベーターの中で髪を整え、
深呼吸をひとつ。

ドアの前に立つと、
自然と笑顔になっている自分がいた。

ノックをすると、
いつもの優しい声が返ってくる。

「お待ちしていました。」

その一言だけで、
今日も来てよかったと思えた。


部屋へ入った瞬間、
思わず足を止める。

「……わぁ。」

部屋の照明は少し落とされ、
柔らかなキャンドルの灯りが静かに揺れていた。

オレンジ色の優しい光が部屋全体を包み込み、
いつもより時間がゆっくり流れているように感じる。

「今日は少し雰囲気を変えてみました。」

彼は少し照れたように笑う。

「リラックスできるかなと思って。」

その気遣いが嬉しかった。

誰かが自分のために考えてくれた。

それだけで胸が温かくなる。


施術が始まる。

キャンドルの灯りが、
彼の横顔を優しく照らしている。

普段は見えない表情が、
その柔らかな光の中では少しだけ違って見えた。

真剣な眼差し。

優しく触れる指先。

丁寧な手の動き。

どれも変わらないはずなのに、
今日はすべてが特別だった。


「今日は冷えてますね。」

そう言いながら、
温めたオイルをゆっくり肌になじませていく。

その温もりに思わず目を閉じる。

「気持ちいい……」

自然と声が漏れた。

彼は優しく笑う。

「今日は何も考えなくていいですよ。」

その言葉に、
張り詰めていた心がほどけていく。


しばらく沈黙が続く。

でも、その静けさが心地いい。

聞こえるのは、
キャンドルが小さく揺れる音と、
穏やかな呼吸だけ。

私は目を開け、
彼の横顔を見つめた。

こんなにも近くにいるのに、
決して近づきすぎない距離。

だから安心できる。

だから何度でも会いたくなる。


「何か見てます?」

彼が少し笑いながら聞いた。

私は慌てて目を逸らす。

「ごめん…」

恥ずかしくなって笑うと、
彼もつられて笑った。

「そんなに見られると照れます。」

その一言に、
胸がドキッと高鳴る。

今まで見たことのない、
少し照れた彼の表情。

その笑顔は、
いつもの”セラピストの笑顔”ではなく、
一人の男性のように見えてしまった。


私は気づいてしまう。

癒されに来ているはずなのに。

彼を知るたびに。

彼の笑顔を見るたびに。

また少し好きになっていることを。


施術が終わる頃には、
部屋のキャンドルは少しだけ小さくなっていた。

揺れる灯りが、
まるで今日の時間を惜しんでいるようだった。

帰る準備をしながら、
私はぽつりと呟く。

「今日の雰囲気、すごく好き。」

彼は嬉しそうに笑った。

「本当ですか?」

「またやりましょうか。」


その言葉に、
自然と笑顔になる。

「うん。」

短い返事。

でも、その一言には、
“また会いたい”
という気持ちが全部詰まっていた。


部屋を出る前、
彼はいつものようにドアを開けてくれる。

「今日もありがとうございました。」

私は振り返り、
少しだけ立ち止まった。

「ありがとう。」

その二文字だけなのに、
彼は優しく頷いた。

「こちらこそ。」


帰り道。

夜風は少し冷たかった。

でも胸の奥には、
まだキャンドルの灯りが残っている。

優しい光。

優しい笑顔。

優しい時間。


そのすべてが、
今日も私を明日へ連れていってくれる。


キャンドルが灯る夜

恋は、
大きな出来事から始まるとは限らない。

何気ない笑顔。

何気ない気遣い。

そして、
「あなたのために」と用意された小さな灯り。

そんな積み重ねが、
いつの間にか心を満たしていく。

新潟秘密基地

そこは、
疲れた心に灯りをともす場所。

その灯りは、
帰宅したあとも、
静かに心の中で揺れ続けていた。


次回予告:第17話
― 優しい嘘 ―

【新潟秘密基地|公式Instagram開設】 2026/06/26(金)00:33

​【NANASE 復帰のお知らせ】 2026/06/24(水)08:00


【NANASE 復帰のお知らせ】


いつも新潟秘密基地をご利用いただき、
誠にありがとうございます。
この度、NANASE新潟秘密基地
復帰することとなりました。
デビューから間もなく退店という形になってしまいましたが、
その短い期間の中でも温かく迎えてくださるお客様がおり、
リピートしてくださる方もいらっしゃいました。
退店後もNANASE本人の中には、
「新潟秘密基地でまだやり残したことがある」
「セラピストとしてもっと成長したい」
「もう一度チャレンジしたい」

という強い想いがありました。
悩み考え続けた末に出した答えが、
今回の復帰です。
あの頃よりもさらに成長した姿で、
お客様一人ひとりと真摯に向き合い、
特別な時間をお届けしたいという気持ちを胸に、
新たなスタートを切ります。
初めてお会いするお客様はもちろん、
以前応援してくださったお客様にも、
改めてNANASEの魅力を感じていただけるはずです。
復帰を決意した今、彼が目指すのは
「ただ戻ること」ではありません。
新潟秘密基地のセラピストとして、
そして一人の人間として、
さらに成長した姿をお見せすることです。
ぜひ、NANASEの新たな挑戦を温かく
見守っていただけますと幸いです。
皆様からのご予約を心よりお待ちしております。

新潟秘密基地

新潟秘密基地物語 第二章:心が動き出す夜 第15話『想いを伝えたい夜』 2026/06/21(日)23:04

新潟秘密基地物語
第15話

― 想いを伝えたい夜 ―


人はいつからだろう。

会えるだけで嬉しくなって。

名前を見るだけで笑顔になって。

次の約束を楽しみに待つようになるのは。


その日の私は、
朝から落ち着かなかった。

仕事をしていても。

買い物をしていても。

スマホを見るたびに思い出す。

今夜、彼に会える。


初めて会った頃とは違う。

最初は癒されたかっただけ。

疲れた心を少し休ませたかっただけ。

でも今は違う。


彼の声が聞きたい。

彼の笑顔が見たい。

彼と話したい。


そんな風に思う自分がいる。


扉の前に立つ。

深呼吸を一つ。

そしてノックをした。


「こんばんは」

いつもの声。

いつもの笑顔。


でも今日は、
なぜか胸が苦しい。


彼を見るたびに。

優しくされるたびに。

気持ちが大きくなっていく。


施術が始まる。

彼の手が肩に触れる。

それだけで心が落ち着く。


だけど今日は、
それだけじゃなかった。


「何かありました?」

彼が聞く。


「どうして?」


「少し元気がない気がして」


やっぱりわかってしまう。

この人には。


私は少し笑った。


「大丈夫」

そう答えたけれど。

本当は大丈夫じゃなかった。


なぜなら。

私は今、

彼に会うたびに、

好きになってしまう自分と戦っていたから。


言えるはずがない。


彼はセラピスト。

私はお客様。


この関係はとても心地いい。

だから壊したくない。


でも。

心は時々わがままになる。


もっと話したい。

もっと知りたい。

もっと近づきたい。


そんな気持ちが、
少しずつ膨らんでいく。


施術中。

彼がふと言った。


「最近よく笑うようになりましたね」


私は目を閉じたまま聞く。


「そうかな」


「はい」


彼は少し笑った。


「最初に会った頃と全然違います」


その言葉が胸に刺さる。


最初の私は、
本当に疲れていた。

笑う余裕なんてなかった。


そんな私を。

彼は知っている。


泣きそうになった夜も。

元気がなかった日も。

強がっていた日も。


全部見てきた。

だからこそ。

今の私の笑顔に気づいてくれる。


胸が熱くなる。


そして思ってしまう。


あなたのおかげです。


そう言いたかった。


今の私が笑えているのは。

前を向けているのは。


間違いなく、

あなたに出会ったから。


でも。

その言葉は飲み込んだ。


伝えたら。

何かが変わってしまいそうだったから。


施術が終わる。

いつものように時間はあっという間だった。


帰る準備をしながら、
私は彼を見る。


優しい笑顔。

穏やかな声。

安心する空気。


好きになった理由なんて、
もう数えきれない。


帰り際。

彼が言う。


「またお待ちしてます」


いつもの言葉。


なのに。

今日は違って聞こえた。

私は思わず立ち止まる。


伝えたい。


ありがとうって。


出会えてよかったって。


あなたに救われたって。


でも。

言葉にならなかった。


だから私は、
精一杯の笑顔で答える。


「また来ます」

それだけだった。


でも本当は。


“会いに来ます”


そう言いたかった。


外へ出る。

夜風が頬を撫でる。


見上げた空には、
小さな星がひとつだけ輝いていた。


想いは伝えなかった。

伝えられなかった。


だけど。


誰かを好きになることは、
決して苦しいだけじゃない。


その人に出会えたことで。

昨日より少し頑張れる。

昨日より少し優しくなれる。


そんな力をくれる。


私はまだ、
この気持ちの名前を知らない。


でもひとつだけわかる。


彼に会う日だけは。

世界が少しだけ優しく見える。


想いを伝えたい夜

伝えない優しさもある。

伝えないから守れるものもある。


それでも。

心の奥ではずっと願っている。


“また会いたい”


その気持ちだけは、
きっと嘘じゃない。


新潟秘密基地

そこは、

言葉にならない想いが、

静かに積み重なっていく場所。



次回予告:第16話
― キャンドルが灯る夜 ―

新潟秘密基地物語 第二章:心が動き出す夜 第14話『秘密の会話』 2026/06/15(月)11:53

新潟秘密基地物語
第二章:心が動き出す夜

第14話

― 秘密の会話 ―

人には、不思議と誰にも話せないことがある。

大したことじゃない。

でも家族にも、
友人にも、
職場の人にも話せない。

胸の奥にそっとしまい込んでいる気持ち。


その夜も私は、
いつものように新潟秘密基地の扉を開いた。

「お疲れさまです」

彼はいつもと変わらない笑顔で迎えてくれる。

その笑顔を見るだけで、
張り詰めていた気持ちが少し緩む。


最近気づいたことがある。

私は施術を受けに来ているはずなのに、
彼と話す時間を楽しみにしている。

もちろん施術も心地いい。

でもそれ以上に、
彼との何気ない会話が好きだった。


施術が始まる。

静かな音楽。

柔らかな照明。

心地よいオイルの香り。

そして彼の手。


「最近どうですか?」

彼が聞く。

いつもなら

“忙しいです”

“普通です”


そう答える。

でもその日は違った。


「ちょっと疲れたかも」

気づけば本音が出ていた。


彼の手が少しだけゆっくりになる。

「頑張りましたね」

その一言が、
思った以上に胸に響く。


頑張った。

確かに頑張った。

でも誰も言ってくれなかった。


職場では結果が当たり前。

家では笑顔が当たり前。

弱音なんて吐けない。


だからなのだろう。

彼のその言葉だけで、
涙が出そうになった。


「みんな頑張ってるから」

私は笑いながら言った。

すると彼は静かに答えた。


「そうですね」

「でも、だからって無理していい理由にはならないですよ」


胸が苦しくなる。

優しい言葉だった。

でも甘やかしじゃない。

ちゃんと私を見てくれている言葉。


施術が進む。

しばらく沈黙が続いた。

でも嫌じゃない。

むしろ心地いい。


「僕、この仕事好きなんです」

突然彼が言った。

少し意外だった。

彼が自分の話をすることは珍しい。


「どうして?」

私が聞く。


彼は少し考えてから答えた。

「人の笑顔が見られるから」

「それに、本音を話してもらえる瞬間が好きなんです」


その言葉を聞いて、
胸が温かくなる。


「じゃあ私は結構話してる方?」

私が笑う。


彼も笑う。

「かなりです」


二人で笑う。

それだけなのに、
幸せだった。


施術が終わる頃には、
最初に感じていた疲れが消えていた。

体も軽い。

でも何より心が軽かった。


帰る準備をしていると、

彼が言った。


「今日はいっぱい話してくれましたね」


私は少し照れながら答える。


「ここだと話せるから」


彼は優しく微笑んだ。


「それなら良かったです」


その笑顔を見た瞬間、
また来たいと思ってしまう。


恋なのかはわからない。

でも会うと安心する。

会うと元気になる。

会うと笑顔になれる。


そんな人がいることが、
今の私には何より大切だった。


帰り際。

ドアの前で彼が言う。


「また秘密の話、聞かせてください」


胸が高鳴る。


秘密。


誰にも話せないこと。

誰にも見せない自分。


それを話せる場所がある。

それを受け止めてくれる人がいる。


だから私は、
またここへ戻ってくるのだと思う。


秘密の会話

人は誰かに理解されたい生き物だ。

答えなんていらない。

ただ聞いてほしい。

ただ受け止めてほしい。


新潟秘密基地。

そこは、

言葉では埋まらない心の隙間を、

静かに満たしてくれる場所。

次回予告:第15話
― 想いを伝えたい夜 ―

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