9/11 08:13 UP!
雨と飴色

昼下がりの窓を伝う雨粒を、しばらく眺めていた。
ひとつひとつが透明で、光を受けるたびに小さな虹色を抱えて落ちていく。
その光景はまるで飴細工みたいに繊細で、見ているだけで心がやわらかく解けていく。
街のざわめきも雨に包まれて、
世界が少し静かになったように感じる。
そんな穏やかな午後に、ふと君のことを思い出した。
会えない時間に浮かぶ面影は、
甘さと切なさが溶け合って、胸の奥をじんわり温めてくれる。
雨の匂いと、ガラス越しににじむ飴色の光。
それらが重なった景色は、君と過ごす時間に似ている。
最初は静かで少しだけ冷たいけれど、
気づけば確かに甘さが広がって、
心の隅々までやさしく染めてくれる。
もし今、君がここにいてくれたなら、
この景色を一緒に眺めながら、
言葉よりも長い沈黙を共有できる気がする。
その沈黙の中で伝わる温もりが
僕が一番欲しいものだから。
昼下がりの雨は、ただの雨じゃない。
飴色のやわらかな光をまとった、
君を想い出させるための魔法みたいな時間。
次に会える日まで、この余韻を大切に抱えていたい