10/6 12:00 UP!
金木犀の香りが不意に届くことについて
金木犀は、姿を見つける前に香りが届きます。
角を曲がった瞬間に、鼻から先に秋が来ます。
どこの木かは、あとから探すことになります。
香りは記憶の扉を、勝手に開けてしまいます。
自分で選んで思い出すのとは、順番が違います。
だから金木犀の季節は、少し落ち着かないのです。
懐かしさと寂しさが、同じ形で届きます。
思い出したくない年のことも、まざります。
私は香りの強い日を、予定を詰めない日にします。
不意に来るものに、席を空けておくためです。
準備をしておくと、驚かずに済みます。
香りが消える頃には、上着が要る気温になります。
その速さに、毎年のように遅れて気づきます。
もし今日、道の途中で足が止まったなら。
それは弱ったのではなく、鼻が働いた合図です。
たけと
角を曲がった瞬間に、鼻から先に秋が来ます。
どこの木かは、あとから探すことになります。
香りは記憶の扉を、勝手に開けてしまいます。
自分で選んで思い出すのとは、順番が違います。
だから金木犀の季節は、少し落ち着かないのです。
懐かしさと寂しさが、同じ形で届きます。
思い出したくない年のことも、まざります。
私は香りの強い日を、予定を詰めない日にします。
不意に来るものに、席を空けておくためです。
準備をしておくと、驚かずに済みます。
香りが消える頃には、上着が要る気温になります。
その速さに、毎年のように遅れて気づきます。
もし今日、道の途中で足が止まったなら。
それは弱ったのではなく、鼻が働いた合図です。
たけと





